突然だけど、自分のフィギュアがあったら欲しくない?
もちろんじゃ!自分のフィギュアとか喉から手が出るほど欲しいに決まってるじゃろ!
なんと今回は”3Dデーターファクトリー”様ご協力の元
ケーキちゃんのフィギュアを作ってもらえることになりました!
というわけで、今回はフィギュアを作ってみた!始まるよ~
上の2人の会話の通りなのですが、有限会社Bダッシュ 3Dデータファクトリー様ご協力の元、VRChatで使用中のアバターをフィギュア化させていただけることになりました!
今回はフィギュア化までにやったことなどを紹介していきます。
少し長くなるなりますが、最後まで見ていっていただけると嬉しいです♪
目次
有限会社Bダッシュ 3Dデータファクトリー様
“有限会社Bダッシュ 3Dデータファクトリー”様
その中でも「ものづくり」を盛り上げるプロジェクトとして、3Dデータを扱う事業”3Dデータファクトリー”を開始されたそうです。
“有限会社Bダッシュ 3Dデータファクトリー”公式HP
3Dデータファクトリー様では3Dデータを活かした活動として、立体表現をすることで現場での情報共有の円滑化を図るモデルの”可視化”や、現物しかないものを3Dスキャナーにて3Dデータに変換し設計図に落とし込むなどといった内容があります。
3Dデータファクトリー様製作環境
●主要ハードウェア
・フルカラー3Dプリンタ
“Stratasys J55 Prime”
今回のフィギュア化の要でもあり、フルカラーに対応した3Dプリンタ。
透明材料(クリア)やゴムライク材料にも対応し、64万色の組み合わせが可能になっている。
・ハンディ3Dスキャナ
“Artec Leo”
業界で唯一のワイヤレスであり、スキャンを可能な限り簡単かつ楽にするよう設計された完全スタンドアロンのプロ仕様3Dスキャナ。
“Artec Space Spider”
高精度・高解像度のハンディ3Dスキャナで複雑な形状やシャープなエッジ、細い棒状などレンダリングが可能。
“SHINING 3D EinScan Pro 2X Plus”
SHINING 3D社の次世代のハンドヘルド3Dスキャナー、強力なアルゴリズムと直感的なワークフローにより、中型から大型の対象物をより高効率に取り込むことが可能。
●主要ソフトウェア
“ICAD/SX V8”
“Geomagic Design X”
“Geomagic Freefrom with Touch”
“Geomagic Control X”
“COLMINA CAE”
“Keyshot”
など
人型のキャラクターフィギュアをJ55(フルカラー3Dプリンター🌈)で造形してみました❗️
現在、水溶性サポート材を除去中…
このキャラクターは……👀👀👀#3Dprinting #3Dプリンター #ずんだもん #VRChat pic.twitter.com/D8sHK6HTVC— 3Dデータファクトリー公式 (@3df_info) January 11, 2023
フィギュアまでの道のり
フィギュア化に必要な要素
●3Dデータ形式
・拡張子の変更
…造形用に3Dデータの拡張子を.OBJに変換する
・今回の造形サイズ
…3辺の合計を300mm(長辺は200mm)に合わせる
●3Dモデリングにおける注意事項
・ポリゴンの作成方法
…ポリゴン面に穴が空いている3Dデータは造形することができない(裏面が露出している場合も同じ)
複数のポリゴンオブジェクトが重なっていて、外見上見えなくなっていても必ず全てのパーツの穴を塞ぐ必要があります。
・厚みについて
…最小肉厚は1mm以上推奨(形状による)
発色を重視する際は、2mm以上推奨(2mmを下回ると透け感が発生する場合あり)
・クリアパーツに関して
…クリア部は1つのパーツとして独立するようにモデリングをする。
クリアパーツにテクスチャを重ねることはできない。
クリアパーツは別途仕上げ作業が必要。
モデルの調整・修正
Blender2.79になりますのじゃぁ♪
のケーキちゃん改変モデル
作業としましては、Blenderにてポリゴンの穴埋め(裏面の処理)とポージング・拡張子OBJでの出力をしました。
では先ず、分霊ちゃんの見えない箇所の穴埋めや裏面の厚みだしを施していきます。
●閉じた形状にメッシュ変更
普段見えない箇所になりポリゴンがない後頭部や衣装の穴部分を修正していきます。
(後頭部のポリゴンがないため髪オブジェクトを外すと顔内部のメッシュが見える状態)
(後頭部のポリゴンを追加し穴を埋めた状態)
(衣装の首や腕を出す部分の修正前)
(衣装修正後)
他にも髪の毛の裏部分のポリゴンを追加し閉じた形状にしました。
これだけじゃないですけど、あげるときりがないのでこの程度に・・・(衣装の装飾の裏や帯やetc…)
●板ポリゴンで作成されている箇所の厚みだし
(紫陽花の髪飾りの花部分)
(花びらを全て厚みづけをし、且つ浮いてない状態になるように他の花と触れている状態にしました)
(衣装の裾も板ポリゴンでできているため厚み付けをしていきます)
(Bkenderのモディファイアなどを使用し厚みだし)
(他にも腰のリボンや下駄の紐など、板ポリゴンの部分を厚み付けしました)
結構作業量はある感じがするのぉ・・・
※見落としがちな細かい箇所
瞳やハイライトなどはモデルの都合上浮いている場合があるため厚み付けであったりポリゴン位置を調整することで浮かない形状にする必要があります。
また、5角以上の多角ポリゴンを4角以下に修正する必要があります。
Blender上で編集モードに入り、選択メニューから”特徴で全選択”→”頂点数で選択”をクリック
Tで出るツールシェルフ内の頂点数を4、タイプを大きいに設定すると5角以上のポリゴンが選択されます。
頂点の分割などを使って4角以下に設定しましょう。
●3Dモデルのポージング
ポージングにおいては3Dモデルに付いているボーンを動かしてポーズを作成していきます。
VRChat向けアバターには基本的なHumanoidボーンが設定されているため、動かしてポーズを取らせることならそんな難しくないかと思われます。
ちなみにボーン表示をさせるとこんな感じ(ボーンは八面体の形をしているもの)
実際に動かすとこんな感じになります。
下では耳のボーンを動かしています。
↓
各種ボーンを動かし、ポーズを取らせたものがコチラ
“狐娘っぽい”をイメージしてポージングさせていただきました。
またサイズの調整も一緒に行い3辺合計300mmを超えないように調整しました。
●表情とポーズの固定
ポーズを固定するにはArmatureのモディファイアを適用しますが、そのためにシェイプキーをなくす作業が必要になります。
その過程でシェイプキーを使って表情も一緒に設定していきましょう。
まずはBlenderのプロパティからデータタブの”シェイプキー”から変えたい表情のキーを0~1に変更して表情を作ります。
表情が決まったらシェイプキーの右側にある”▼”から”新シェイプをミックスから作成”をクリック。
新しくできたシェイプキーを上下のマークを押し、”Basis”の上に配置させます。
配置できたら”▼”から”全シェイプキーを削除”をクリック。
プロパティからモディファイアタブの”適用”をクリック。
ここまで行うとポージング状態と表情などを適用した状態のオブジェクトになります。
この時点でポリゴン裏に隠れた見えないオブジェクトなども必要なければ削除しておくと良いでしょう。
各種シェイプキーが入ってるオブジェクトは上記の手順でポージングを適用していきます。
●OBJ出力
今回はOBJファイルとして出力していきます。
Shiftを押しながら出力したいオブジェクト選択していきます。
選択後、ファイルメニューから”エクスポート”→”Wavefront(.obj)”を選択しエクスポートします。(出力設定は初期のまま行いました)
じゃぁこの3Dモデルをお渡しして出力してもらおう!!
モデルを送って確認作業
この内容で大丈夫かご確認をお願いしますなのじゃ!
正面
側面
背面
また、確認時にポリゴンの粗さが出るとのことを聞いたので、追加で細分割曲面をかけさせていただきました。
これで造形お願いしますなのじゃ!!
フルカラー3Dプリントにて造形編
3Dモデルの調整・確認作業が済み、実際の造形がここから始まります。
3Dデータファクトリー様にある”Stratasys J55″にてフルカラー出力をしていただきます。
実際の造形中のお写真も貰っているので紹介させていただきます。
稼働している”Stratasys J55″、今回の”胡桃ケーキ”フィギュア1体のみを造形する場合、約9時間ほどで造形完了するそうです。
Stratasys J55では造形エリアがターンテーブル上になっており、回転させながら実際の造形を行っていく方式になっています。
こちらでは左上の造形物が”胡桃ケーキ”フィギュアだそうです。
取り出すとサポート材に包まれているため、初期では造形物の全貌はまだわからない状態になっております。
このサポート材の除去方法なのですが、今回造形時に使用したサポート材は水溶性の物のため、水に浸すことにより溶解させることが可能だそうです。
(水に付けサポート材を溶かしている途中)
今回のフィギュア化においては1日水に浸した後、超音波洗浄機を使用し仕上げていただきました。
フィギュア完成!!
フィギュア完成しました!
ということで3Dデータファクトリー様よりご丁寧梱包と共に発送いただきまして・・・さっそく御開帳!!
箱から出して写真も撮ってみました。
実際の大きさ(手のひら比べ)
予想以上に細部まで造形されていて箱から出した時に驚きました!
自分専用のオリジナルフィギュアの満足感
高さ16cmを超えるフィギュアの圧倒的存在感もさることながら、自分専用のオンリーワンフィギュアという付加価値から得られる満足感がかなりあります。
実際に作業している机の上に置くといつでも自分のフィギュアが見放題♪
ちょっと気になる点やミスったところ・・・
①3Dプリンター造形上というか材質の仕様上、しょうがない部分もあるのかもしれないのですが、表面の白みが出てしまっているところ
②設計上自立しないため、土台を付けるべきだったかなと、もしくは自立できるポージングにすべきか
(現状はスタンドを購入し立たせている…まぁこれでも全然あり)
③ローポリ気味でエッジが少し目立ってしまうところもあり、これは3Dモデル調整時にもう少しハイポリ化してなめらかになるようにすればよかったかなと思いました。
④細かな髪飾りや指先など1mm以下になってしまい、造形時に破損に繋がる部分が出てきてしまったので、こちらも3Dモデル調整時に気を付ける点として注意すべきでした。
もし、フィギュア化を検討する方がいたらこういう点に気を付けていただけたらと思います。
まとめ
とても長くなってしまいましたが・・・VRChatフィギュア化をご紹介させていただきました!
(胡桃ケーキフィギュアと中の人3Dモデル)
私の中でですが、マイフィギュアはオリジナルグッズの中でも一位と言ってもいいほどに欲しいものだと思っています。
自分のフィギュアが欲しいという方には、フルカラー3Dプリントのクオリティと満足感の高さからおすすめできる一品になると思います!
あ、でも今回みたいに自分で3Dモデルの調整をするというとBlender(モデリングソフト)の知識が必要になるので、そこがネックかなとも思いました・・・
(今後のサービス展開時にどうするかは検討されているとのお話なので今後に期待ですね♪)
お値段高いんじゃないの?
気になる費用などのお話がまだでしたね。
費用についてなのですが、こちらは まだ正式サービスとして展開はされていない状態ですのでお値段はコレです!とは断言できません・・・
造形に使用する材料費であったり3Dプリンタの稼働費など色々な要因がありもの次第で変わってくることもあるかと思います。
ですが、聞いた話によると、3Dプリンタ”Stratasys J55 Prime”ではサイズ次第で一度に複数の造形を同時に行うことが可能なので稼働費を削ることが出来たり、
造形サイズを小さくすることで材料費を削減したりすることもできるみたいです。
(今も綺麗に造形できるようにクリアパーツを使ってごにょごにょ…色々検討中みたいです!)
気になった方は、”有限会社Bダッシュ 3Dデータファクトリー お問い合わせ“まで
わし達に聞きに来てもええからね♪
自分のフィギュアと一緒に生活を飾ろう♪♪
最後にはなりますが、有限会社Bダッシュ 3Dデータファクトリー様!
今回のフィギュア化にあたり多大なるご協力、本当にありがとうございました!!